写真をめぐる泥試合

近頃は、新しくグライダーを一機作る度にその写真を撮っています。SNSに上げられることもあれば、注文したお客さんに送る事もあります。
全ての機体の写真を撮って送るよう指示しているのはボスですが、新しく組み上がった機体の写真を撮ってその買い主に送るのは元々はかなり以前に私が始めたことです。自分の仕事を増やすという意味では墓穴を掘ることになってしまいました。
最近では写真の構図を工夫したり面白がってやっていますが、ここに至るまでには長い確執があったのです、まあいつものことですが。

商売におけるSNSの効能や活用法については、店舗を経営されている方の方がはるかに詳しいでしょうから、ここで目新しいことは書けません。私が朧げに優先すべきだと思っていたのは、上げるコンテンツがマンネリ化しないということでした。
グライダーは商品としての性質上、どんなに優れた写真があったとしてもそれだけで直接の購買動機にはほとんどなり得ません。となれば、私達にとってのSNSの機能は商品や会社のイメージを創ることと、そのついでにお客さん本人を満足させることのように思われました。

ところが、同じモデルの同じカラーリングの機体が生産されることは多々あり、それをいちいち写真を撮影して(機械的に)SNSにアップするというのは意味が無いどころか、情報媒体としての会社のページの価値を棄損することになりかねないと思っていたのです。

毎日更新されるのは良いことではあるのでしょう。しかし例えばラーメン屋のページで、いくら一番人気だと言っても毎日同じ豚骨ラーメンの写真がアップされても仕方ないですし、個人のページでもどこのカフェでコーヒー飲んだとか毎日上げられても最終的にはスル―するようになる。
こうしたことを説明しても、「どんな写真もプロモーションになる」の一点張りで根拠が示されることは無く、挙句の果てに「あんたには写真を撮る才能が無い」だのとこれまた根拠なく罵倒される始末でした。それなら自分でやれよ…。


とは言えこのままでは話が堂々巡りだし、何かしら発信をしていくのはもともと賛成なので、私は少しアプローチを変えることにしました。
効率重視の仕事スタイルはひとまず脇に置き、いわゆる「インスタ映えしそうな」雰囲気をまとった写真を毎日少し時間をかけて撮ってみる工夫をしました。どのみち被写体も機材も環境も限定されているので、スカした雰囲気だけ出ていれば良いのです。ネットで調べたごくごく薄っぺらい知識とスマホの機能を使って、短期間でソレっぽい写真が何枚か撮れました。ひょっとしたら才能があるのかも知れない。

そしてボスも上機嫌になり、金払いも良くなりました…というのはグレーな冗談だとしても、職場の雰囲気が少し良くなった事は確かです。
やや飛躍しているかも知れませんが、結論としては結局のところSNSが売り上げにどう作用するかというような事が問題だったのではありませんでした。何故なら今撮っている写真についても何がしかの評価、検証や今後の展開について話し合われることなどは無いからです。

話の根幹はそれ以前に、「何でも良いから発信するネタを欲している(けれども商品知識はまるでない)マーケティング」と、「(無理な注文を押し付けられるので)生産効率を第一に考えたいプロダクション側」との対立の問題だったのです。
大きな会社では部署間の利害が対立してしまうことは珍しくないと思っていましたが、零細企業でも一人が一機能を担っているようだと相似形の問題が起きてしまうのですね。

 

無加工でローアングル
最初は構図だけを考えていましたが…

 

色変
そのうち輝度なんかのパラメータをいじり倒すように!

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